Nepal

マイラブリースポット

私はあまり観光名所に行かない。別に行きたくないわけはないが、それよりも普通の住宅街を散策してたり、お気に入りの子の家で遊んでいる方が楽しいのだ。
特にネパールでは自分でも驚くくらい観光名所に行っていない。ネパールに初めて来る前は、ネパールに行ったらブッダアイで知られるスワヤンブナート寺院なんかを見に行くもんだと自分でも思っていたが、未だ行ったことがない。
以前ポカラで休憩中のタクシー運転手とこんな会話があった。
「サランコットに行かないかい?」サランコットとはヒマラヤ山脈の展望台として知られる丘で、ポカラ随一の名所でよく日の出を見に行かないかと勧誘される。
「いや、いいよ」
「サランコットは眺めが良くていいところだよ」
「うん、知ってる」
「行ったことあるのかい?」
「いや、ないけどいいかな」
「じゃジャパニーズ・パゴダはどうだい?」ジャパニーズ・パゴダとは世界各地に仏塔を建てている仏教界の左翼で知らせる日本山妙法寺だ。サランコットと同じで眺望がいいらしいが、反日左翼集団が作ったものに特に興味もないのでそれも断る。
その後もバラヒ寺院は?デビットフォールは?などとポカラの観光名所をあげていくが、どこも行ったことなかった。
「ポカラは初めてなのか?」
「いや、三回目だよ」
「・・・どこになら行ったことがあるんだ?」
「あ、フォクシンなら行ったことあるよ」
「フォクシン?どこだそれは?」
「えーと、ここから一時間ほど歩いたとこにある山だよ」
「・・・そこには何があるんだ?」
「んー、村かな」
「・・・」
正しい反応だ。私がタクシーの運転手だったら同じ反応をするだろう。
住宅街なんかを散策していると、間違って迷い込んだと思い町への戻り道や近くの観光名所への行き方を教えてくれる人もいる。何をしていると聞かれ、ただ歩いてるだけだと答えると怪訝な顔をされることもしばしばだ。旅行とは観光名所を巡るもんだと思い込んでいる人には、ただの住宅街を歩くのが楽しいことを説明しても理解してもらえない。ただ理解してもらえないだけならいいが、私は完全に不審者扱いなので困る。