Philippines

良い人ってなんだっけ

旅した土地で良い人に出会い、また訪ねて行ける場所が色んな国にいくつかある。フィリピンのルソン島の北部にあるビガンの家族もそのひとつだ。この家族は実に良い人たちでビガンの町に着いたら、いの一番に訪ねて行く。
まあ、良い人というのは個々による違うものであるので定義があいまいだが、私の言う良い人とはごく一般的だとは思う。誠実でいて親切、思いやりがあって優しい、そんな誰もが良い人と思いそうな存在だ。
ビガンの家族は初めてのフィリピンで初めてビガンに訪れたときに出会った子の中で一番のお気に入りだった子の家だ。その子は可愛いだけでなく性格も優しくおだやか、勤勉でいて素直でとっても良い子だ。両親がまた素敵だ。母親はいつも笑顔でいてよく気が利き、二歳ほどの長男と同じくらいに常に気にかけてくれている。父親もまたいい。口数は少ないものの優しい顔をしていてよく気を遣ってくれる。姉に良く似た妹も含め、家族みんなが優しい顔をしている。
訪ねて行った初日は日曜日で、ビガンの郊外にあるヒドゥンガーデンや動物園、夜には町の中心のサルセード広場で行われる噴水ショーなどに連れて行ってくれたりした。ヒドゥンガーデンや噴水ショーは私が行ってみたいと軽く言ったことのある場所である。よく覚えいているもんだと感心する。
その夜、一緒にレストランに行ったのだが、その際に私が注文しようとしたイカのグリルが売り切れだった。たいして気にも留めてなかったが、翌日家で夕食をごちそうになった際に出てきたのはイカだった。わざわざ用意してくれたらしい。
食事も何度かごちそうになったが、本当に美味しかった。言葉がろくに通じてないがなんとも居心地がいい。彼らは私に何も求めたりはしない。別れるときは必ずお見送りをしてくれ、私の姿が見えなくなるまでずっとその場にいて振り返ると手を振ってくれる。そんなのとこも好きだ。
他の国の訪ねて行く家族にも、同じような共通点がある。良い人とは結局のところ、自分の好みであり、自分にとって都合がいいだけなのかもしれない。他人にとっての良い人が自分にとっての良い人とは限らず、またその逆もそうだ。ならば私は自分なりの良い人と親しくさえできればそれでいい。