Pakistan

キッチンURAYAMA

 2019     Nov 15, 2019

砂糖のようなものがこびりついたフライパン。小麦粉なのか、洗剤なのか、わからん白い粉。それらを持った少女たちに言われるがままついてゆく。村の家屋からはどんどんと離れ、つれてこられたのは村の裏庭というか、裏山。この先は、もう急斜面の山しかない。村の動線からはずれ観光客が通らないため、彼女たちにとって気がねなく遊ぶことができる場所だ。
持ってきた白い粉に水を混ぜてこねる。白い粉はどうやら小麦粉のようで、今日はこの裏山でなにかつくるみたいだ。誰かの家のキッチンですれば楽なんだろうけど、ここでするのが楽しいんだろう。
そこらに転がっている大きい石でかまどをつくると、そこらに落ちている小枝で火をおこす。ちょうど収穫時期まっただなかのクルミを石で割って、こまかく砕いていく。丸めた生地をすりばち状にし、砕いたクルミを入れて包み込む。クルミ入りのパンだ!
平べったく形を整えたパン生地を、フライパンで両面焼く。ひっくり返すヘラも、小枝だ。両面に焼き色がついたところで、かまどに立てかけ、側面にも火を通す。生焼け対策もばっちりだ。もう一台作ったかまどでは、いつ間に持ってきたのか、やかんが火にかけられる。ドリンク付きのようだ。
失礼ながら、味は期待していなかったのだが、普通に美味しいではないか。紅茶は砂糖を入れすぎたらしく、味見した子がえらい怒っていた。クルミ入りのパンというのは甘いのを想像していたが、塩味が効いたパンで、甘すぎる紅茶にはちょうどよかった。

一番年上の子で九歳。九歳って、こんなんだっけ?まともな調理器具は、フライパンとやかん、あとは皿だけ。五歳くらいから、家の手伝いをはじめ、家でもコンロなどなく薪ストーブで調理している。日本人とは生活力が違う。