Uzbekistan

四倍可愛い件

「私を一枚撮る間に、彼女のことはだいたい四枚は撮ってる」あまりにも的確なつっこみで思わず吹いた。よく見ていらっしゃる。そう言ったのはウズベキスタン中部にある古都ブハラの町でよくお邪魔する家の子だ。この家には男の子一人と女の子五人の子供がいる。一番上はもう高校生くらいだろうか、下は二歳ほどだ。
四枚撮ってる彼女とはこの中の誰でもない。それは隣の家の子である。同い年くらいのこの幼馴染の子とは家族ぐるみで仲が良いようで、毎日一緒に遊んでいる。遊ぶのは一番上の男の子とまだよちよち歩きの二歳児を除いた女の子四人プラス隣の子という構成だ。
私は嫌いな子供は露骨に撮らないのだが、別にこの家族の子供たちのことが嫌いなわけではない。なのでまんべんなくは撮っているのだが、隣の子が好き過ぎて隙あらば撮っている。それがだいたい一対四の割合なのである。家族の子の誰かを撮れば隣の子、また誰かを撮っては隣の子、としているので四倍撮ってるというのは実に的確なのである。
隣の子をたくさん撮るのには、初めの出会いのことがあるからかもしれない。初めて会ったときも家の前で一緒に遊んでいた。透き通るような肌の色とウズベキスタン伝統のイカット織物のアトラス柄の服でなんとも魅力的な子だった。アトラス柄の大胆な模様と目の覚めるような色使いもあり、すっかり心を奪われてしまった。
遊んでいる姿の写真を一枚撮った直後に家に招かれ、家を出てきた頃にはすっかり日が落ちており、もう写真は撮ることはできなかった。次の日はブハラを去る日で、もっと撮りたかったという思いがずっと残ったもんだから、隙あらば隣の子となっている。