Uzbekistan

妖しさカムバック

日中は多くの観光客やお土産物屋でまるでテーマパークのような賑わいのヒヴァのイチャン・カラ。だが夜は雰囲気が一変。日が暮れるやいなや、みるみる人の姿がなくなり静寂に包まれる。
イチャン・カラは昼間ですでに中世の町へタイムスリップしたような雰囲気があるが、夜はさらにその雰囲気が増す。街灯は少なく暗い。月明かりが少ない夜は真っ暗に近い。かつては奴隷市場や残虐な拷問や処刑で名を知らしめた恐怖の町ヒヴァ。迷路のような夜道はスリル満点である。
主要なモスクやメドレセ、ミナレットなどのイスラム建築群はライトアップされる。ウズベキスタンのライトアップは緑や青などの色の光が多い。妖しく彩るのが好きなようだ。
そのライトアップが年々縮小されている。カルタ・ミナルは少々ライトアップされているが、以前はもっと明るかった。全体的に暗くなりカルタ・ミナルの美しく輝く水色を表現するのが難しい。しかたがないので周辺の緑のライトを活かしてみる。
ヒヴァのライトアップで一番好きだったのはイチャン・カラの東門、パルヴァン・ダルヴァザ。奴隷の門だ。19世紀後半までヒヴァには中央アジアで一番の奴隷市場があり、中央アジア各地から奴隷が集められ、その取引で栄えた。140年ほど前なので、そう昔のことではない。門は50メートルほどの細長いアーケード状で両側の窪みがある。ここに鉄格子が入れられ、奴隷が売買されていたという。以前は木製の門の扉に施された彫刻を緑のライトが不気味に演出していた。しかしライトアップは緑色ではなくなり、さらに今回はライトアップすらされていなかった。あのヒヴァの恐怖政治を想像し、気味悪さを倍増させてくれるライトアップが好きだったのに残念である。