India

好奇心の摩耗

私は初めて訪れる旅行よりも気に入った土地に再訪するのが好きなのだが、再訪を何度も繰り返すたびに好奇心が摩耗してしまう。
再訪を繰り返すより新しい場所へ行ったほうがいいのか?とも思ったりもするが、初めて訪れる場所や国であっても、旅を重ねるにつれ、その経験が逆に好奇心を磨耗させ、違う人に会っても、違う風景を見ても、違うものを食べても、どこか同じように感じられ、もうすでに経験したような既視感を覚える。旅行に行き始めた最初の頃のようには心が弾まない。そんな風に感じることが最近多くなってきた。
これと同じようなことが以前にもあった。それは旅行に行き始めてしばらくした頃で、序盤の頃は短期間にガイドブックに載っている名所をいくつも回り、市場や土産物屋があればのぞいてみたり、名物料理があれば試してみる。そんな旅行者らしい旅行者だったのだが、されはひどく疲れる。旅行は楽しいというよりしんどいものになっていた。
それで観光名所を巡るのはやめ、本当に面白そうなところだけに行くようにし、好きな人とだけ話し、好きなことだけをするようにしたら、ずっと楽になりあまり好きでなかった旅行が楽しくなってきた。だから今もそういう旅をしている。だけどもそうした旅をしているのにもかかわらず、また旅行にあぐねてきたもんだから困ったもんだ。
ひとつ思い当たることがある。再訪するのは好きだが、その間隔だ。再訪時には前回撮った写真を配り歩くのだが、写真を撮った場所が小学校だったりすると、その子がその小学校にいる間に持って行かなくっちゃ届けられなくなる。その場所へ再び行きたくないわけじゃないが、今めちゃくちゃ行きたいかというと、そうでもなかったりもする。写真を届けるという使命を果たすことで、少し歯車が狂っているのかもしれない。
たとえ写真を届けれなくなったとしても、再び思いっきり行きたくなるまで待ってみるのが良いかもしれない。そうだ、自分の再訪の周期を探ってみよう。