Nepal

のんびりパラダイスポカラ

ネパールの第二都市のポカラは、ネパールきっての観光地でもある。ポカラの魅力は低地にいながら目の前に迫るアンナプルナ連邦の山々を見ることができることだ。またネパール語の池であるポカリから来ている地名の通り、町の西側にフェワ湖という大きな湖が広がり、気候も温暖で緑も多い。首都のカトマンズの喧騒とは対照的に実にのんびりしたところだ。いや、のんびりしたところだったというべきかもしれない。
ポカラには世界各国から多くの旅行者が訪れるが、それでものんびりしていた。しかしここ数年中国人がどっと押し寄せ、町の雰囲気がずいぶんと変わってしまった。今やレストランのメニューやお土産屋さんのショーウインドウに英語に並べて中国語が書かれている。ある通りなんかは中華料理屋と中華系のホテルがだらけで、ここは中国かと錯覚するくらいに何もかも中国だ。
私は団体の中国人旅行者が嫌いだ。あのうるささとマナーの悪さにはうんざりさせられる。まあ私だけでなく彼らのことを好きな人なんていないだろうと思うが。
そんな中国人がまるでいない。この年は春に起こった地震で観光客が遠のいたのに加え、秋に公布されたネパールの新憲法をめぐりインドとの国境封鎖が行われ極度の物資不足に陥り、観光客が激減していたのだ。中でも中国からの直行便が欠航しており、中国人がいない。ただただ快適な空間の誕生だ。
ガソリン不足で交通量も少なく、空気も澄んでいる。いつもは排気ガスがひどく避ける通りも、ここぞとばかりに歩いてみる。思わぬ形でポカラ本来の魅力を楽しむこととなったもんだ。こんなに快適なポカラはもう味わうことはできないだろう。次に訪れたときは客足も戻っており、また苦々しく思いながら過ごすに違いない。