Uzbekistan

あべこべホテル

泊まったホテルが家族経営だったりすると、そこの子供と仲良くなることなんてのはあるが、ひとつだけ変な出会い方をしたホテルがある。
最初に出会ったのは末っ子だった。当時はまだ小学校へ行ってない年齢で、家の前というかホテルの前になるんだけど、そこで近所の子達と遊んでいた。正確には炎天の中、敷かれた大きな絨毯の上で何かして遊んでいる様子でもなく、おしゃべりもせず、ただただ座っていた。そこの絨毯に上がりこんで遊んだのが初めだ。そのときは子供が四人いたので、誰かがホテルの子なんだろうとは思っていたけど、誰かまでは分からなかったし、気にもしていなかった。
翌年、写真を持って再び訪れた。このときは違うとこに泊まっていた。ホテルはだいたい前もって予約して旅行をするので、ここのホテルに泊まる予定はなかったが、このとき会った末っ子の姉がホテルのパンフレットをくれた。
この年は、一度違う町へ行き、そこで数泊してからまた戻って来るという予定をしていた。しかし、その違う町がからっきし面白くなく、どうしたもんかと悩んでいたときに、「そうだ、予定を切り上げてあのホテルに泊まってみよう」と考えつき、姉のくれたパンフレットに書かれた連絡先から連絡し、泊まることになった。そこでようやく父親と母親に会った気がする。

元々の出会い方がそんなだからか、ホテルの客であって客じゃないような妙な扱いだ。子供らはもちろん客としてではなく友達が泊まりに来たよう感じである。別に嫌な感じはない。子供らと一緒にご飯を食べたり、くつろいだりするのも楽しいし、ホテル代も割り引かれた友達価格だ。
もし違う町がつまらなくなかったら泊まってなかっただろうし、もし姉がパンフレットをくれていなかったら泊まってなかっただろう。なにより末っ子の写真を撮ってなければ何もなかったのだから、まるでロールプレイングゲームのような繋がり度合いである。縁とは不思議なもんだとつくづく思う。