Uzbekistan

進撃の城壁

巨大な二重の城壁で囲まれた要塞都市ヒヴァ。内側の城壁に囲われた市街地はイチャン・カラと呼ばれる。日本語に直訳すると内城。イチャン・カラには50以上の歴史的建造物と250以上の古い住居が残っている。城壁を持つ都市の形態は珍しいものではないが、中央アジアと西アジアに存在する内城で無傷の状態で保たれているのはヒヴァのイチャン・カラのみだそうだ。
イチャン・カラは東西450m、南北650mのコンパクトサイズで、その中に20のモスクと20の神学校と6基のミナレットがひしめき合っており、どこを歩いても、どこも向いても、どこもかしこもイスラム建築の連続だが、城壁にも注目したい。

外敵の侵入を防ぐために建造された二重の城壁は、外側の城壁はほとんど破壊されてしまってはいるが、内側の城壁は今も残されている。その姿はまるで進撃の巨人だ。
内側の城壁は高さ10m、厚さ6m、全長2.25km、形は下部が厚く上部は薄い。丸みをおびていて一見可愛らしくもあるが、かつてヒヴァには城壁に死者を埋葬する習慣があったらしく、城壁には死者が埋めこまれている。そればかりか埋葬された人骨の一部が城壁の表面に露出しているというなかなかのレベルの気持ち悪いやつだ。だが、この城壁とそれに城門があってこそのイチャン・カラである。町を取り巻いているこの城壁がなければ内城とは呼べないし、なければ魅力は半減するだろう。
城壁に登ることができる場所もある。城壁の上からは日干しレンガに覆われたアースカラーのイチャン・カラの全景を見渡すことができるし、夕暮れ時には夕日を浴びてオレンジ色に染まっていく姿を見て黄昏ることだって可能だ。