Nepal

濃厚パナウティ

ネパールにおいて存在が確実な最古の王朝、リッチャヴィ朝の都だったパナウティ。今はすっかり小さな田舎町だが、川沿いにはネワール建築の寺院が建ち並び、朝日に照らされる姿は実に清々しい。
この小さな町はネパールをぎゅっとしぼって煮詰めたような濃い目の町だ。この歴史的にも価値のある美しい寺院や街並みが残るパナウティの町を歩けば、あたなはきっとこう思うだろう。汚ねえなと。
パナウティはロシ・コーラとプンガマティ・コーラという二つの聖なる川の合流地点にある、川の合流点は聖地とされている。だがその聖なる川が汚い。川の上流では大量のゴミが捨てられているが、人はおかまいなしに沐浴したり洗濯したりしている。ガートもある。私は死んでも墓などいらないと思っていて、骨もどこぞ好きなところに捨ててくれて構わないと思っているが、なんだかこの川に捨てられるのはちょっと嫌だと思うほどだ。
次にネパールの古都と呼ばれる町はどこでもそうなのだが鳩が多い。上を見上げれば屋根や電線に鳩、鳩、鳩だ。ネパールの古都を歩く上で大切なことは、綿密な彫刻を見逃さないことではなく鳩のフンに当たらないようにすることだと一票投じたい。鳩はフンだけでなく羽毛の飛散や悪臭もひどい。
町のメイン通りはバザールで多くの人が行き交う。商店の肉や果物の臭いと排気ガスでなぜこんな小さな町でこんなにも空気が悪いのか不思議なくらい強烈だ。ホテルもレストランも清潔さはない。
そんなパナウティだが魅力も多い。まず人々は非常に人懐っこい。町を散策していればよく声を掛けられる。もちろんインドみたいに騙そうとする人やぼったくり、客引き、ドラッグの売人、そういった類ではない。ただ単純にフレンドリーで親切な人だ。あちこちから手を振られたり、挨拶されたりで気持ちがいい。子供も無邪気だ。
町の端から端まで余裕で歩けるコンパクトさもまた良い。町の中心から外れると田園風景が目立つ。その辺りはのどかそのもので、奥には山がそびえ、これぞまさにネパールの原風景である。そしてやはりパナウティは朝が美しい。あの汚い聖なる川も朝には輝いて見え、寺院のシルエットはなんともフォトジェニックである。田園風景も朝もやの中ピンク色に空が染まる頃は息をのむ美しさだ。