Nepal

穢れ

 2017     Jan 30, 2019

ネパール人は穢れを嫌う。穢れはネパール語でジュートと呼ばれ、ネパールの生活の中にさまざまな形で存在しており大きな影響力を持っている。
普通の旅行者だとあまり穢れに出くわさないが、もっとも見かけるのは回し飲みだろうか。ネパールでは他人が口をつけたものは穢れとされるので、水差しやペットボトルから水を飲む際は口をつけずに飲む。たとえ家族であっても決して口はつけない。まあ、実際のところ注ぎ口と口が相当近く、口がついちゃってる場面もちょくちょく見かけたりもする。
次に見るのが非常にわかりにくいがカーストだ。カースト制というとインドの身分制度として有名だが、ネパールにも存在する。カーストはインド同様にとうの昔に廃止されたものとされているが、現在もなお人々の間にはカーストによる差別意識がはっきりと残っている。
ネパールのカーストは大まかに分けると4つの階級に分類され、自分より下位のカーストの者が触れたものは穢れとして扱われる。
それゆえ下位カーストの家には入らないし、下位カーストが作ったものは食べないしお茶が出されても決して飲まないという。触れることが穢れとなるので結婚なんてありえない、そんなことを自身は上のほうのカーストだとおっしゃる人が得意げに語るのを聞いたことがある。
カーストによる差別はただ単純に理不尽で横暴なものもあるが、ネパールではこういった穢れという概念がある場合も多い。

ネパールの小学生からはカーストを感じたことはない。子供たちはカーストに関係なく同じ教室で勉強しているし、普通に触れ合って遊んでいる。子供ゆえに意識していないだけなのか、時代により変化してきているのかはわからないが、外国人である私に対しても普通にさわってきたりもする。
カーストがいいとか悪いとか言うつもりはない。それがたとえ差別的だったとしても、非人道的だと思ったとしても、他国の文化であって自国の価値観を押しつけものではない。
そうは思いながらもカーストによる差別は日本ではまず見ることのないショッキングさがあるので、よく知った子たちが成長した時にする側にしろ、される側にしろ、それに関与しているのを目のあたりにしたとしたらショックは計りしれないだろう。