ネパールの小学校に給食は基本ない。お昼はお弁当かというと、そうでもない。というのは、ネパールでは食事は朝晩の1日2食なので、お昼は間食になるのである。
子供たちが学校に持って来るのは、ビスケットやスナック菓子などのお菓子類が多く、学校によっては軽食を購買部で買うこともできる。
ネパールの子は優しいので、毎度わけてくれようとする。ひとりから貰うと我も我もとくれるため、ビスケットやスナック菓子、それ以外にもクッキーやインスタントラーメンをくだいてベビースターみたいにしたもの、あめ、チョコレート、みかん、得体の知れない駄菓子。それらでたちまち片手いっぱいになる。
ここで重要なのは、こぼれると思っても両手で受けないことだ。両手で受けてしまうと窮地に陥ることとなる。置くスペースが増えたと、子供達がどんどん追加してきやがるので、今度は両手いっぱいになってしまう。両手が食べものでふさがると本当に何もできなくなる。まず、両手がふさがっている原因であるものを、食べて減らすことさえもできなくなるのだ。
以前は子供がくれると言っても断っていた。別に欲しいわけではないし、子供の希少な分を奪っているようで、申しわけない気持ちになるからだ。だけども、それは考え違いだった。よくよく考えると、せっかく勇気を出して勧めたのに断られたほうが、よっぽどショックなのである。ここは貰ってあげるのが正解だ。そういうわけで、今は貰うようにしている。
今でも反射的につい断ってしまうこともあるが、最近はよく知った子相手だと「あーん」として食べさせて貰ったりしている。