旅行先で振られる話題というのは、どこの国でもあまり変わらない。どこでも似たようなことを聞いてくる。
国が違っても話題に大きな違いはないが、大人と子供ではずいぶんと違う。大人の質問には、だいたい数字を答えておけばいいので簡単だ。旅行は何日間。日本までは何時間かかるの。そのカメラはいくら。兄弟は何人いるの。親は何歳なの。日本の人口はどれくらい。サン・テグジュペリの「星の王子さま」ではないけれど、答える数字を知っただけで、大人はすっかりわかったつもりになる。
数字だけ答えればいいので、英語が達者じゃなくても答えるのは簡単だが、よくされる質問でいつも答えれないのがある。「今まで何カ国行ったことがある?」という質問だ。答えれないのは、数え切れないほどの国に旅行して思い出せないのではなく、何カ国行ったことがあるかということに興味がないので、数えたことがないのである。
10回近く行ったことがある国もあれば、3日くらいしかいなかった国もある。それが同じ1とは思えないので、数えようと思わない。正直、この質問をしてくる意味がわからない。この答えを聞いて、なにがわかるというのだろう。
もっと、一番好きな国はどんなところ。とか、どんなところが好きなの。とか聞けばいいのに。子供はそういう質問をしてくる。こちらはこちらで、英語力が足りず、答えれないでいるが。