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Macedonia2014

#188

迷探偵

Jul 09, 2020

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Photos

「この娘のこと知ってる?」写真を片手に尋ねた少女からの回答は意外なものだった。
再訪した町では、前回に撮った写真を渡すために、記憶を頼りに探索する旅がはじまる。再訪するのが一年や二年振りだと、記憶もはっきり残っていそうなもんだが、そうでもなかったりする。思いのほか覚えていなく、通りがひとつ違っていたりして、すんなりといかないのは毎度のことだ。
家や学校など、居場所が特定できるところで出会った子以外は、出会った場所しか手がかりがないので、その近辺で誰かに聞くほかない。まるで探偵や刑事のように、写真を見せて、知らないかと尋ね回る。
子供を見つけるのには、同年代の子供に聞くのがてっとり早い。前回に写真を撮ったあたりで、遊んでいた同年代くらいの少女に聞いてみる。彼女の答えは、「私」だった。尋ねた相手が本人だと、まるで気がつかなかった。その原因は髪型のせいだろう。前回、一年半ほど前に出会ったときは、髪が肩より少し長いくらいだったが、目の前にいる少女はショートカット。髪型が変わると、印象は大きく変わる。再訪したときに、前回より髪が伸びてることはよくあることだが、逆はあまりない。だから、その姿はまったく頭になかった。
前回に撮った写真が、一枚しかないのも少し原因かもしれない。恥ずかしがって、なかなか写真が撮れずに、ようやく撮った一枚。そのたった一枚の写真の表情で、彼女のイメージができあがっている。何枚も撮って、いろんな表情を知っているのとは違い、印象が偏りすぎるのだ。

異国の人間が、子供の写真を見せて、知らないかと尋ね回る。めちゃくちゃ、怪しくないかと自分でも思うが、不思議と今まで怪しがられたことはない。
写真を片手に人探しをしていても、ハプニングなどは経験したことはなく、これといったおもしろエピソードはない気がする。あ、一度だけ「この娘は、君の子かい?」と言われたことがあったな。そんな深刻な人探しじゃないですよ。

清澄オフリド

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