どこの国も一番のお気に入りの子には、不思議と共通点がある。
控え目でおとなしいものの、シャイとは違う感じ。よく照れたりもするが、内気な性格ではなく、人見知り要素はまるでないのだ。ほかにも孤高というわけではないが、交友関係は決して幅広くないところも同じ。芯があって、周りに流されるタイプでも、群れるタイプでもないのだ。
カメラを構えたときの対応も同じだ。恥ずかしがって、隠れたり、大きく照れたりはしない。かといって、ぐいぐいと前に出てくるわけでもなく、自信満々にポーズを決めたりすることもない。キャーキャーはしゃいだりすることはなく、ただただ、にこりと笑って、天使っぷりを発揮するだけだ。
この子達には、どうにもNOと言えない。お利口さんでいて、お行儀もいいので、なにかをねだってきたり、お願いされたりすることはないのだが、なんでも言うことを聞いてしまう気がする。
「次の休み時間もいる？」そう言われて、NOとは言えなかった。写真を届けに来て、会えたのは良かったけど、小学校の授業の合間の休み時間では短すぎるのだ。しかたがないので、学校のすぐ横にある教会に行ったりして暇をつぶす。・・・長い。せめて何分授業なのか聞いておけばよかったなと後悔しはじめたころ、ようやく次の休み時間になって、飛び出してきたけど、また次の休み時間もいるかと聞くではないか。また待つの？さすがにそれは・・・、と思うものの、それでもNOと言えない。前世で命でも助けられたんだろうか。
もうさすがに、近場に暇つぶせそうなスポットはないので、学校の向かいあるレストランで、ワインを飲んで待つことに。ワインをボトルで頼んで、小学生を待つなんて、なかなかの暴挙に出たよね。