6歳くらいの女の子が、「私の写真はある？」と寄ってきた。
6歳なら、前に会ったとすれば3歳だから、写真を撮っている可能性もあるが、今の姿を見ても心当たりがない。3歳くらいの幼い子を写真に撮ることはあまりないので、憶えていやすいが、ピンとくる子はいない。なにより、こんな美人な子を憶えていないはずがない。
「ないと思うよ」と言いながら、持ってきた写真をめくる。やっぱりないよねと思ったが、女の子が束から写真を1枚抜いた。自分の写真があったらしい。どの写真を取ったのか見せてもらう。「これ、君なの？」と聞くと、そうだと言う。たしかに面影はある。ただ、今みたいな美人な子になるなんて、予想つかなかったな。
逆はよくある。可愛い子が成長するにつれて残念になることは、しょっちゅうだ。可愛い子が成長にともなって、ふるいにかけられ、どんどん目の粗いふるいにかけられていくイメージ。だけども、美人に変化するパターンは珍しい。可愛い子は元から可愛いことが、ほとんどなのである。
別に彼女の場合は、以前の姿が不細工だったわけではないが、かと言ってすごい可愛いかったわけもない。それだけに、純粋に顔だけで美人と呼べる子になってるなんて驚きしかない。
「えらい美人さんになったねえ」と言いながら和んでいたものの、ここまでの会話は、日本語対現地語との会話で、お互い何ひとつ言葉の意味はわかっていなく、こちら側の想像にすぎなかったりする。