気に入った土地には再訪するのが好きなのだが、その醍醐味が薄れてしまっている。新型コロナで海外旅行へ行けなかったことにより、どこへ再訪するのも間隔が大きく空いてしまったことが原因だ。コロナ後に海外旅行へ行けるようになってから、パキスタンとネパールへ再訪した。両方とも3年ぶりであった。3年という間隔は、やはり時間的な問題が生じてしまっていた。
私にとっての再訪は、再び行くだけではなく、繰り返し行くというものだ。それも国レベルや県レベル、市レベルではなく、地域のコミュニティレベルで同じ場所にリピート訪問することを指す。リピーターという言葉があるが、リピーターには、何度も来るという意味合いが強く含まれている。1年に1回訪れるのと、10年に1度訪れるのとでは意味合いが違う。10年に1度訪れる人をリピーターというかどうかは疑問が残る。また、地域のコミュニティレベルでの再訪でなければ、新規と変わらない。かの地に行って、会いたい人との再会を楽しむ、この再訪の思いこそが、私の旅の醍醐味なのである。
だが、3年も訪れていないと子供達は、覚えていなかったり、覚えてても距離感が遠のいてしまっていたりする。時間的な問題である。
次の旅行先も、コロナ前によく訪れていた別の国を考えていたのだが、さすがに3連続はきつい。これを防ぐには、コロナ後に行ったパキスタンかネパールのどちらかに再訪するほかない、ということで、わずか半年ほどでパキスタンに再訪してみることにした。
半年という短い間隔で再訪するのは、ほかの国も含めても、はじめてのことだ。
半年での再訪は、それはもう、違った。スタート地点があきらかに違っていた。めちゃくちゃ覚えられていたし、親密さも増している。自然体なときが多くなり、さまざまな表情を見ることもできたように思う。
やっと、旅の楽しさが戻ってきたという懐かしさを感じながら、リピーターとしての新しい一歩をまた踏み出せたような気がした。