Nepal

一度きりの二回目の旅行

 2015     Aug 24, 2016

私は気に入った土地には何度も再訪するのが好きだ。なかでも二回目の訪問のときが一番好きなのだが、二回目の訪問ってのは一度しかない。なに言ってるんだ、そんなの初回も、三回目も、四回目だって一度しかないじゃないか。そりゃそうなんだけど、私にとっては二回目にしかないものってのがある。
私は再訪したときに、前に撮った写真を配り歩く。はじめての再訪では、私のことを覚えてたり忘れてたりする。幼い子供なんかはまるで覚えてはいない。まあ、そうだろうとは思う。旅行者の多くは、もう戻ってくることはない一時的なものである。再び訪れてこようとは、まず思ってはいないだろう。
写真を持って行く先は、前に出会った場所になる。それは家だったり、学校だったり、家が近くにあると思われる道端だったりする。訪れた先に親や先生などの大人がいるときは説明するより、持ってきた写真を見せるのが一番てっとり早いので、基本そうする。
私の密かな楽しみは、家の前や道端に子供らだけでいるのを発見したときだ。そんなとき私は知らない人のふりをする。しばらく子供らを観察しつつ、この子はあの写真の子だとか、この子はあの子だろうか?と頭の中で、目の前の子供の姿と記憶の中の姿を照らし合わせていく。そして、ほどよく仲良くなった頃合いで写真を差し出す。そのときの驚きようったらありゃしない。今、はじめて会ったと思っていた相手が、自分の写真を持っていて錯乱しているのと、写真を貰った嬉しさやら恥ずかしさやらが混ざったりで、そのなんとも言えない表情には思わず笑ってしまう。
この瞬間を写真に撮りたいのだが、写真を渡すのと撮るの一人二役はできない。いまだに撮れないままだし、今度も撮ることはできないだろう。そして、次の訪問時にはさすがに顔を覚えられているので、もう見ることはできない。
一度きりの二回目の訪問。だけど、同じ国でも同じ土地でも出会いの数だけ何度でも楽しめるのがよいところ。