India

威嚇つぶし

 2012     Dec 29, 2020

少女がぷくーっとほっぺを膨らませて、にらみをきかせてきた。いきなり怒り出した理由はわからない。これといって思い当たる節がないのだ。ほんのついさっきまで、上機嫌で写真に応じていた。そのあとは、別の少女の写真を撮ったくらいしかしちゃいない。
まあ、幼女がほっぺを膨らませながら、にらんできたところで、怖くもなんともない。だけども、笑い飛ばすだけでは、ご立腹のまま直らない。しかがないので「そんなもの、きかーん」と片手で膨らんだ頬をはさんで、つぶしてやった。すると彼女は、目を丸くして固まった。それは、いまだかつて見たことないくらいの固まりようで、一体自分の身に何が起こったのか、まったく理解できていないといった様子だ。
すぐに彼女は、ひとつひとつを確認するように、一連の動作を繰り返した。ほっぺを膨らませ、それを自分の手ではさんで、ゆっくりとつぶした。
ようやく何が起こったのかを理解した彼女は、大笑いしていた。それがおもしろかったのか、気に入ったのかはわからないが、今しがた怒って威嚇していたことなどすっかり忘れて。