India

アリスを追いかけて

 2013     Nov 30, 2021

インドで子供の写真を撮るのは簡単だ。カメラをぶら下げていたら、向こうから撮ってくれと言ってくるからだ。インド人は写真が大好きで、写真を撮ってとせがまれることは日常茶飯事。人物の写真は撮りやすい国なのだけど、そこに私の撮りたい写真はないので、撮りにくい国でもある。
せがまれててカメラを構えて撮れる写真は2パターン。無秩序に群がってくる写真か、真顔で直立した写真。群がってる写真は、元気で子供らしいとも思えるが、どれも似たり寄ったりで、テーマもなく、撮っていて楽しくない。向こうから撮ってくれと言ったのにもかかわらず、真顔なのは謎でしかない。
面倒なのは、インドの子供は、格別しつこいことだ。インドを旅していると、ペンくれ、お菓子くれ、お金くれ、そんな言葉に本当にうんざりさせられるものだが、写真もそうである。写真を撮るまで、ずっと言い続けてくる。やつらの断られることに対するメンタルが強さは一体なんなのか。私はデジタルカメラなので、さっさと撮って、満足して立ち去ったら、写真を削除することで、やり過ごしているが、フィルムの人は大変だろう。

私の写真を撮りたい相手は、写真を撮りやすくない場所に存在したりする。ときには荷車に下にもぐり込んでいたり、ときには鉄格子の扉によじ登っていたり。不思議の国のアリスみたいに夢中で追いかけていくと、大人には小さすぎる世界に迷い込む。体が小さくなる薬はないだろうか。