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Nepal2022

#287

恋路の邪魔

Jul 21, 2023

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Photos

写真をどう撮るかを大きく分けて、縦位置と横位置のどちらの構図で撮るかというのがある。写真の向きで印象は大きく違う。どう写したいのか、何を伝えたいのか、それによって縦位置、横位置のチョイスが異なってくる。
横位置の写真は、複数の要素が伝わり、情報量が多いので、どんな状況かがわかりやすく、臨場感のある写真になる。また、横に広がりを感じる写真となるので、広がりを演出したいときに向いている。一方で、縦位置の写真は、余計なものが写り込みにくくできるので、写真の主題が明確になりやすい。高さや奥行きが表現できるので、奥行きを強調したいときに向いている。
逆に言い換えると、それぞれの短所にもなり得る。横位置は余計なものが写り込みやすく、なにを撮りたかったのかが伝わりにくい写真となってしまう。写真を撮りたいと感じた部分以外の周りのものが、邪魔をして主被写体がぼやけてしまう。縦位置は世界観を出しにくく、単調になりがちだ。人物写真だと、意識せずに撮ったりすると、人物全体を収めるような単調な構図になってしまい、ただの記録写真のようになる。

縦位置で撮ったからだといって、余計なものが写り込まないわけではない。そんな魔法のようなものではない。縦位置であっても、邪魔なものはなにかしらある。それを距離をつめたり、向きやアングルを変えたり、背景をぼかしたりして、入れないように、目立たないようにする。
子供の写真でもっとも邪魔になるのが人だ。とにかく自分も写真に写り込もうとするケースが多い。頭の上にピースを差し出してきたりして邪魔してくることもしょっちゅうだ。残念なことに打ち解けているほど、それらを排除する戦いしいられる。
背景をぼかして、主被写体を引き立てて印象的に撮るのも限界はあるので、はなから入れないことが一番だ。だから、どうしても縦位置の写真が多くなる。特にお気に入りの子は、縦位置と横位置、どちらも半々くらいで撮りたいのだが、縦位置ばかりになってくる。何度も同じ子を撮るので、狙っているところがバレているのだ。
「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ」という言葉が日本にあることを教えて差し上げたい。

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