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Pakistan2023

#301

耳曇り

Nov 21, 2023

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パキスタンの国語は、ウルドゥー語という言語になるのだが、カラーシャ族が話すのは、彼ら固有の言語であるカラーシャ語。
これがなかなかやっかいものだ。言語に関する書物があるにはあるのだが、元々、文字を持たない文化であったため、正確な文献が残されておらず、表記がばらばら。日本語で書かれた文章にいたっては皆無なため、発音のニュアンスがわからず、音が頼りの情報になるのだが、あいまいな発音が多いので、一発で聞き取れない。
たとえば、「カラーシャ」ってのは、カラーシャ語に近いカタカナ表記になる。だが、実際にカラーシャ族の人が発言する「カラーシャ」は、「シャ」と「シュ」の間のような感じなので、聞き取りにくい。ちなみにカラーシャ外の人、旅行者やほかの地域から移り住んできたムスリムなんかは「カラーシュ」という。
ややこしさを増長させるのが、カラーシャ語だけでなく、ウルドゥー語も混じっていたりすることだ。さらに、カラーシャの谷があるチトラール地域のムスリムが話すコワール語というのも入り混じる。このコワール語に関しても、情報を手に入れにくい言語だ。こと外国人向けの書物となると、カラーシャ語よりも少なかったりする。
カラーシャ語はコワール語と類縁関係にあって、よく似た単語が多い。ウルドゥー語の影響も受けていて、ウルドゥー語、コワール語、カラーシャ語と全部似ているものもある。もちろん、全部が異なったり、コワール語とカラーシャ語だけが似ている場合も多々ある。ただ、ウルドゥー語とカラーシャ語が似ていて、コワール語だけが離れているパターンってのは少ないように思う。
コワール語だけが離れている単語は、ひとつだけ知っている。それは指輪。ウルドゥー語では「アングーティー」、カラーシャ語だと「アングスチャー」だが、コワール語になると「プルングシュトゥ」とぶっ飛ぶ。こちらに通じていないと感じると、他の言語で言い換えてきたりするのだが、ここまで違ってくると、こちらも同じ単語を言っていると思わず、耳を疑うだけになる。

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