日本には「色の白いは七難隠す」ということわざがあるほど、白い肌に憧れる人が多い。これは日本だけでなく、アジア圏のすべての国に共通することかもしれない。
日本もたいがいだとは思うが、日本以上に白い肌に対して、強い憧れを抱いている国も少なくない。フィリピンもそのひとつである。
色白=美人という考えが強く、とりたてて可愛いくはないのに、色白ってだけで、フィリピン人は美人と言うのが理解できない。肌の色で美人かどうかを判断したことがないので、いつも返答に困ってしまう。可愛いのは、その子が可愛いからであって、肌の色で左右されるものではないと思うのだが、フィリピン人にはコンプレックスを感じている人さえいる。小学生でも高学年くらいになると、そういう意識が芽生えるらしく、私の腕の色と自分の腕の色とを比べて、勝手に落ち込んでいたりする。
そんな白い肌に強い憧れをもつフィリピン人だが、残念ながら純フィリピン人で色白はまずいない。色白なのは、メスティーサと呼ばれる白人系混血か、中国系のどちらかで、クラスにひとりかふたりいる程度。逆にめちゃくちゃ褐色っていうのもそんなにはいない。
小学校のクラスを見渡すとはっきりとわかる。結局のところ、白かろうが黒かろうが、可愛い子は可愛いのである。