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Uzbekistan2018

#103

悪魔の手

Mar 16, 2019

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旅行をするうえで、とても重要なことなのが荷物を軽くすることだ。大きな荷物を持って移動するのはたいへんだし、なにより重いと疲れる。疲れがたまってくると心に余裕がなくなり、イライラしがちになったり、無口になったり、ときには体調をくずしたりと、せっかくの旅行が楽しいものではなくなってしまう。有意義な旅にするためにも身軽で旅行をするということは大切なことである。
荷物の量が多くなってしまうのは、なんといっても衣類。これをどれだけ減らせるかが決め手でもある。
私はいつランドリーサービスに出すかをあらかじめ決めている。それによって持っていく服の枚数をミニマムにする。それため旅行中の服は効率よく、計画どおりに回転しなければならない。そうそう計画が狂うことはないが、この世には私の綿密な計画をはばむ悪魔がいるのだ。

悪魔は私を見つけるやいなや、私の名前を呪文を唱えるように繰り返し言いながら近寄ってくる。まずは、両手をいっぱいに広げ私につかみかかると、悪魔の住む館の前に引きずり込む。
そこから悪魔の儀式なのか、アメやらチョコレートでベトベトにした手で、ときにはほかの悪魔を召喚するために地面に魔法陣でも描いたのだろうか、土ボコリまみれの手で私の衣を汚してくる。よだれもダラダラで、ときおりぬぐっている。
悪魔の館に入ろうものなら、悪魔は当然のごとく私の膝の上に鎮座し、私の身動きを封じるばかりか、そこで晩餐会をはじめ、食べ物を食い散らかすのである。

紅いらず

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