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Pakistan2018

#110

ルンブールの奇跡

Apr 02, 2019

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カラーシャ族が暮らす谷は、アフガニスタンからパキスタンにまたがるヒンドゥークシュ山脈の麓にあり、ブンブレット、ルンブール、ビリールの三つの谷からなる。
もっとも大きいのがブンブレット。訪れる人も多く、観光地化が進んでいるという。ルンブールは規模は小さいものの、カラーシャ本来の伝統的文化が一番残っているとのことなので、ブンブレットのあとルンブールへ向うことにした。
昔からの文化が残っているとのことだったが、違いがまるでわからず。暮らしている人にとっては違いがあるのもしれないけど、観光レベルでは暮らしぶりに違いは見てとれない。
ただ、人はずいぶんと違った。ツーリスティックといえば、両方ツーリスティック。だけども印象はまるで違う。
ブンブレットはおとなしく、観光客をさける感じ。かたや、ルンブールは観光客に群がっていく。自分にメリットがないとさっさと立ち去ってしまうので、人懐っこいというのとはまた違う。ルンブールはパキスタンではなくインドのように思えた。
完全に好みの問題だが、ルンブールの人が苦手だった。大人も、子供も、宿の人も、護衛の警官も。ぶっちゃけ、ブンブレットに帰りたくてしかたなかった。

そう思っていたところへ、ひとりの天使が舞い降りる。
群を抜く圧倒的な存在感もさることながら、控えめでおとなしい性格に心をつかまれた。
彼女の着ていた衣装も好きだった。カラーシャの民族衣装は、三色くらいの少なめの同系色でまとめてるのが、今まで素敵だと思っていた。それなのに彼女の衣装は刺繍や頭飾りやアクセサリーなどに色の統一感はなくバラバラ。にも関わらず、バラバラ感はなく、まとまっていて、完成されたコーディネートのようであった。一番カラーシャの衣装が似合っていたんじゃなかろうか。
また、ルンブールに行きたいとはあまり思わないけど、彼女に会うために再び行ってしまうような気がしてならない。

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