世の中には止まっているときよりも、動いているときのほうが、可愛く写る人間がいる。
写真写りが悪いということではない。写真より実物のほうがいいとか、静止画より動画のほうがいいというのとも、若干違う。あくまで、写真の話だ。
動いているときの写真というと、スポーツやダンスをしているところなんかがあるが、そんなに派手に動いたものでなくてもいい。ある一瞬をとらえた平面の写真の世界では、ささいな動きでいい。たとえば、なにかを追っている目線、それで充分だ。
表情に動きがある現実の世界では、見逃してしまうかもしれないほどの動きでいいわけだが、カメラを前にすると表情の動きを止めてしまうことはありがちである。それでも可愛い人はたくさんいる。だが、ときどき驚くほどに華がなくなる人もいるのである。