我慢の限界というと怒りのことを表すが、耐え忍んでいることがこらえきれず爆発してしまうのは、なにも怒りの感情に限ったものではない。
たとえば、笑いをこらきれず思わず吹き出してしまうってのがある。誰しもによくあることだが、それを表す言葉は「失笑」くらいなもんで、怒りの「堪忍袋の緒が切れる」「キレる」「怒りが頂点に達する 」「仏の顔も三度まで」などの豊富さと比べると非常に少ない。
これといった言葉がないものもある。恥じらいや照れなんかがそうだ。恥じらいや照れがこらえきれず爆発って、ピンとこないかもしれない。恥じらいや照れのとき行動は、普通は隠れたり、逃げたり、ときには吹き出しちゃったりして終わるのだが、ごくまれにずっと恥じらいや照れやらをためこみ続け、急に「んもう」みたいな大声をあげる子がいるのだ。
写真を撮っているときだと、カメラを構えてから、もたもたしていたり、何枚も何枚も撮っていたりすると起こる。カメラを向けると照れちゃう子が、全員そうなるかというと違って、ほんの一部にしかない行動だ。
非常にまれなゆえ、今まで一度もその瞬間をちゃんと写真に収めれたことはない。爆発がいつくるか予想できない上に、いきなり動いたり、大声を出すもんだがら、びっくりしてしまい、必ず写真がぶれてしまうのである。