記念日じゃなくても写真を撮る時代。いつもより可愛く撮れたら、なんでもない日が特別な日に変わるかもしれない。
私が撮る人物写真は、圧倒的に被写体が単一であることが多い。これは相手にスポットライトを当てている、ということを示すためにも、重要な点なのだ。ひとりにだけスポットライトを当てることで、複数で撮るときにはない、特別な表情が生まれる。
たくさんの子供たちが集まって満面の笑みを見せている写真、仲のいい子と大はしゃぎしている写真、そういった写真を見たことはあるだろう。ああいうのを撮るのは、実は簡単だったりする。子供は仲間と一緒にいたら、勝手にはしゃぐもんなのだ。だけども、恥じらいや照れ、好奇心なんかが入り混じった表情が好物な私には、そこにキュンとする瞬間はないのである。また、自分始動でないため、自分がシャッターを押しているものの、撮ってるというよりも撮らされている感じがしてならない。それにあれは、ぐいぐいと前に出てくるタイプの子しか撮れない。恥ずかしがり屋や、引っ込み思案のおとなしい子は撮れないのだ。
はっきりいって、子供相手に単一で撮るのは、複数で撮るのより何倍もむずかしい。だけども、写真だけじゃなく、普段からいろいろなことで、積極的に前に出てくる子に押しのけられてるだろうから、たまにはそういう子にスポットライトを当てて、立場を逆転させてあげる存在がいてもいいじゃない。