旅行は、移動のために滞在する町ではない限り、最低三泊は滞在するようにしている。あれもこれもと欲張って、駆け足であちこちまわっても、移動時間がかさみ疲れがたまるだけ。なるべく滞在都市を絞って、移動を減らし、ひとつの町での滞在時間を長くする。そのほうが、それだけその場所の魅力を多く感じることができる。
三泊ほどすることで、ようやく美味しいレストランがわかってきたり、小さい町だと、地元の人に声掛けられるようになる。こちらも慣れるまで時間がある程度必要だが、相手にも必要なのだ。
同じ子供の、特に幼い子の写真を撮ると、はっきり出る。初日に撮った写真より二日目、二日目より三日目に撮った写真のほうが、あきらかに安堵した表情をしている。初日には気付かなかったが、見比べると表情には緊張感が残っていて、硬く、感情も乏しい。
滞在時間が短いと、うわべだけしか知らないままに町を立ち去ることになる。そんなのもったいなすぎる。現地の人との交流を楽しむのなら、せめて三泊はしたいところだ。