あとから写真を並べて見比べてみると、わかりそうなもんだと思うのだが、学校で会った子と学校の外で会った子が、同一人物だと気付かないことがしばしばある。
覚えやすい顔と、覚えにくい顔ってあるじゃない。美人だからといって、必ずしも覚えやすいわけではない。抜きんでた美人か、または、自分にとって好みの場合以外は、どちらかというと整っている顔立ちのほうが覚えにくいように思う。中程度の魅力的な顔よりも、特徴ある顔のほうが覚えやすい。
顔を覚えるというのは、なにも顔の造形だけで決まるわけではない。ファッションやキャラクターのクセが強いと覚えやすいし、よく喋るとか、目立つ子も覚えやすい。逆に、おとなしく地味な子は言わずもがな、覚えにくい。
こちらがわかっていなくても、相手の態度でどこかで会ったことがあるんだとわかることもある。だけども、おとなしい子はそれすらも出さないので、気付かないことがますます多くなる。
最終的に気が付くのは、撮った写真。写真を見ているうちに、なんだか似たような子がいるなと、旅行先で気付くこともあれば、帰国してから写真の整理をしているときにようやく気付くこともある。結構な衝撃だ。そして、学校で会った子ときと、学校の外で会ったとき、それぞれ別の人間として思い出が作られており、記憶の修正が完了するまでの間、しばらく混乱がつづく。
ドラゴンボールに出てくるスカウターさえあれば、こんなことにはならないはずだ。そうだ、スカウターの機能をカメラに搭載してくれさえすれば、完璧じゃないか。戦闘力も測れるし。