もう、今日の仕事はやり終えましてん。そう言わんばかりに、よれよれにくたびれたリボンが垂れさがる。ネパールの下校時間でよく見かける光景だ。
ネパールの学校では、女の子の髪型を三つ編みに指定している場合が多い。三つ編みは一般的なおさげもあるが、ネパールやインドあたりには決まったアレンジ方法がある。三つ編みの途中でリボンをまぜて編みこんでいき、編み終わりに三つ編みの下をくるっと上に持ち上げて固定して、涙型の輪っかにする。わかりにくい例えをするならば、お菓子のチュロスだったか、あれみたいな形にする。
その固定していたリボンがほどけ、垂れさがっているのである。いつもであれば、ほどけてくれば、本人なり先生が結びなおす。だけども、下校時間近くになると、帰宅したらどうせほどいてしまうからか、ほったらかしにされているのだ。
よれよれの哀愁ただようリボンを見ると、結び直してあげたくなる。しかし、結びかたがわからんのだ。一度、結び直したことがあるのだが、普通の蝶々結びだとすぐほどけてしまうのである。ネパールの下校時間は、もやもやが止まらない。