マケドニア随一の観光地、オフリド。オフリドの歴史は古く、かつては東方正教会の中心地として栄え、最盛期には365もの教会があったという。
東方正教会の特徴である美しいフレスコ画とイコンが残る教会や、バルカン半島らしいオレンジ色の屋根の旧市街も見どころではあるが、この街の最大の魅力は、なんといってもオフリド湖だ。
マケドニアとアルバニアの国境にまたがるオフリド湖は、世界に20ほどしかない古代湖のひとつ。およそ500万年前に誕生したヨーロッパ最古の湖とされている。
オフリドの景観はオフリド湖によって、ひときわ際立つようにできている。湖を望むように湖畔に建つ聖ヨハネ・カネオ教会は、RPGに登場しそうなファンタジー感にあふれ、丘の上のサミュエル要塞からオフリドを一望すれば、湖と旧市街とが見事に調和する。
オフリド湖の美しさは景観だけでなく、湖の水そのものも美しい。浅瀬では湖底に沈んだ水草や魚が、まるで水槽を見ているかのように、くっきりと見える。オフリド市街から湖に沿って南へおよそ30km、アルバニアとの国境近くにあるスヴェティ・ナウムへ向かう遊覧船に乗るともっとわかる。透明度が非常に高く20m以上ともいわれるオフリド湖。船上から湖面を見ていると吸い込まれるような感覚に襲われる。奥まで見えすぎて、少し怖い。満点すぎる星空を見たときに、はじめは美しいと思うんだけど、見えすぎてだんだんと怖くなってくる感じに似ている。