ウズベキスタンでは大家族で暮らすのが一般的だ。めちゃくちゃ子だくさんというわけではなく、多世帯家族で同居するので、その人数は祖父母の代の家族構成によって異なってくる。多い家では日本は考えられないような人数が、ひとつの家に入り乱れている。まるで親族一同が集まる冠婚葬祭の何かのイベントのよう。
ウズベキスタンで一番よくお邪魔する、可愛い姉妹のいるお家も大家族だ。ここは姉妹の家族だけでなく、ほかにもたくさんいて、母親らしき人が四、五人は出入りしている。それぞれに子供がいるようだが、誰が誰の子で、どの子とどの子が兄弟姉妹なのか、わからない。おまけに母親はまだ若く、子供の数は訪れるたびに増えている。おまけに、ときには近所の子も遊びに来て混ざっており、もうさっぱりなのである。
この家の人たちは持って行く前回撮った写真を楽しみにしている。今回で写真を持って行くのは二度目なので、さすがにこいつはまた訪ねてくるやつだとわかってるのだろう。ひと段落したところで、子供も母親も小奇麗な服に着替えだした。今まではほとんど子供の写真しか撮ったことがなかったが、母親たちも写真を撮って欲しいようである。
母親とその子供たちの家族単位の写真を、入れ代わり立ち代わり撮っていくなかで、ようやく家族構成を理解する。実に四年目にしてである。分類された写真を見ると、母親と似ているなとか思ったりする反面、兄弟は似てるけど母親とは似てないなとか、この子はこの家族だったんだという、新たな発見もある。
だが、これですべてを把握したわけではない。あと男の子が何人かいたはずなのと、父親がいない。父親たちには昼間に訪ねて行くせいか、あまり会ったことがなく、いまだに謎のままだ。まだ家族の図鑑の完成には遠い。