モデルを用意して行う撮影でない限り、撮影場所を変えるというのは、不可能なときがほとんどだ。場所ばかりでなく、相手との立ち位置や距離、光の向き、写り込む周囲のものや人、撮影時間など、どうしようもないことはいくつもあって、それに対するジレンマが尽きることがない。
そんな変えることのできない状況下で、そのマイナスな要素を逆にプラスに転じることができるかどうかは、はっきりいって運だと思う。アイデアや技術などで、カバーできることもあるが、お手上げ状態なことも多い。
わりと簡単にいいアクセントになるのは、自分と被写体との間にある障害物。場所が変えれないと、よく発生する障害物のジレンマ。障害物を入れたまま撮るのも、入れないようにするのも、どちらも悩ましい。
どうあがいても、障害物が入ってしまうときは、わざと障害物をフレームに入れて撮影してしまおう。このとき、思い切って大胆に入れることと、ちゃんとメインをはっきりさせることがポイントだ。