グルジアの首都トビリシから、大コーカサス山脈を超え、ロシアのウラジカフカスまでの212kmを結ぶグルジア軍道。グルジア軍道は、5,000m級の大コーカサス山脈の大自然が織り成す絶景の宝庫で、グルジア観光のハイライトといわれる。
グルジア軍道のなかでも、絶対に見ておくべきなのが、国境手前の大コーカサス山脈の麓のカズベキ村にあるツミンダ・サメバ教会だ。標高2,170mの山頂に建ち、背後にそびえる雄大な峰々と一体化する、その神秘的な姿は、天国に一番近い教会と称される。
19世紀のロシアの文豪プーシキンが、「日の光に照らされ、まるで雲に支えられて空中に浮かんでいるように見えた」と、その美しさを詩に残した。プーシキンが訪れたがころから、カズベキの風景はほとんど変わっていないという。
プーシキンの詩っぽい写真を撮ってみたかったが、雲の位置があと紙一重だった。いい感じの乗っかれそうなくらいの帯状の雲が発生していたので、日頃の行いの賜物かと思ったが、思えば、なんらいい行いなんぞしてないわけで、残念ながら空中に浮かぶことはなかった。