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Georgia2014

#227

復讐の塔

Apr 20, 2021

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グルジアで異色の文化を持つ、大コーカサス山脈の南に位置するスヴァネティ地方。スヴァネティ地方は、上下にわかれており、アッパー・スヴァネティは、古くからスヴァン人が住み、スヴァンと呼ばれる独自の文化が今でも残っている。
この地域を代表するのが、9世紀から13世紀にかけて建てられた、石造りの塔のコシュキ。アッパー・スヴァネティ全体で約200基あるといわれる高さ20~30mの塔が、氷河や山頂の万年雪が見られる美しい高山地帯の大自然と融合することで、独特で不思議な景観を形作っている。
コシュキは別名、復讐の塔とも呼ばれる。
外敵から身を守るために立てこもり、銃眼から攻撃できる要塞と監視塔の役割の持つ。かつてスヴァンには、家族の一員が危害や侮辱を受けた場合、必ずその相手または家族に復讐を果たすという血の掟という因習があり、報復から身を守るために使用されてきたのである。

今は、復讐などという物騒な言葉はそぐわないような、のんびりとした田舎町のように思えるアッパー・スヴァネティだが、近年までそうでもなかったという。
ソ連の崩壊とそれにつづくグルジア内戦より、アッパー・スヴァネティは大きな危機を迎えることになった。スヴァネティの住民は数百年来、高山環境の厳しい条件に抵抗して暮らしてきたが、ソ連崩壊後の経済危機や頻発する自然災害の影響で住民が離れていく事態が起きる。そのため、一時、犯罪者達の拠点と化し、住民や観光客を脅かしていたのである。治安は2004年に行われたグルジアの特殊部隊による大規模な掃討作戦にて回復したが、その後も山崩れなどがあり、ほかの地域へ移住していく人々も少なくない。

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