旅行でがっかりするのが雨。行く予定だった場所にも行くことができず、人も出歩いていないしで、時間を持て余してしまうことが多くなる。そうならないように、雨の多い季節を避けて旅行に行くものの、それでも雨の多い場所というのが存在する。
グルジアのスヴァネティ地方の天気の悪さは、いまだかつてないほどであった。スヴァネティはグルジアの北西部に位置する、スヴァン人の住む地域。3,000m級から5,000m級のコーカサス山脈に囲われるこの地域は、ヨーロッパの定住地域でもっとも標高が高いという。一年を通じて黒海から流れ込む気団の影響を受け、夏は3ヵ月に満たないほどに短く冷涼で、長く冷たい冬がつづく。一年中雨量が多く、もっとも雨の少ない時期でも雨量に大差がなく、月の半数以上は雨か雪が降っている日である。
雨のせいでやることを失って暇だからといって、ホテルの部屋でごろごろしてるのなんてもったいない。こんなとき、宿に可愛い娘がいれば最高だ。
パラパラと小雨が降るなか、おかまいなしに軒下に干されたシーツを背景に、幻想的な写真を撮ってみる。なかなかおもしろい写真が撮れたのはいいのだが、女の子がシーツ間を駆け回ったり、わし掴みしたり。これ、あとで怒られるやつだ。