カラーシャ族の民族衣装の代表格でもある、頭飾りのシュシュット。輪っか状の冠に腰まで達するほどの長い尾ひれがついており、ビーズやボタン、子安貝の貝殻、金属製の飾りをびっしりと縫いつけて装飾している。
子供から年寄りまで、みんなが同じ民族衣装をまとっているカラーシャ族だが、唯一異なるのが幼い子。多くの旅行者を惹きつける色鮮やかなカラーシャの民族衣装であるが、シュシュットや首に何十束も巻くネックレスのマイックはずっしりと重い。それゆえ5歳くらいまでの幼い子は、シュシュットとマイックは身につけていない場合がちょいちょいある。
シュシュットをかぶらず、そのままの子もいるが、シュシュットの代わりに帽子をかぶっている子が多い。その帽子は、なぜだか決まって同じタイプ。このタイプの帽子をなんと呼ぶのかがわからないが、波打つようなヨレヨレとしたつばのハットで、花みたいな形なので、勝手にフラワー帽と呼んでいる。日本でも幼い子が日よけ用にかぶっているのを夏によく見かける。
日本だとキャップや麦わら帽、黄色いスクール帽子など、幼い子がかぶる帽子の形はたくさんあるけど、カラーシャはこのフラワー帽ばかりだ。パキスタンの国民のほとんどはイスラム教徒なので、同じ年頃のムスリマはヒジャブをするから、そもそも女の子の帽子というものが少ないのかもしれない。