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Pakistan2022

#269

改宗ムスリム

Jan 28, 2023

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「どこかで見たことある気がするんだよな」ムスリムの学校のひとりの少女が引っかかる。前回この学校にはいなかったのは確かだが、どうにも知っているような気がしてならない。
この学校以外でムスリムの少女と会ったことがあるのは、カラーシャ族とムスリムの共学の学校にいた数人くらいなもんだが、そこのことを思い出してみても、てんで心当たりがない。似ている子を知っている可能性もあるが、まるで思い浮かばない。
モヤっとすっきりしないまましばらく経ったころ、彼女がクラスメイトから呼ばれていたとき、名前が気になった。彼女の名前は、パキスタンでは珍しい名前ではなく、よくある名前で、このあたりでも同じ名前の子をふたり知っている。ひとりは彼女のクラスメイトで、もうひとりはカラーシャ族の子。
そのカラーシャ族の子は、今回まだ会えていなかった。その子が通っていたカラーシャ族の学校へ行ったものの、欠席なのか、転校したのか、学校にいなかったのである。同じ名前のその子を思い浮かべていると、すごい似ていることに気がついた。顔が似ているだけじゃなく、目の下にスルマを塗っているのも一緒だ。もしかしたらと、スマホに入れていた写真と照らし合わせる。間違いない、カラーシャ族の子だ。この3年の間に、カラーシャ族からムスリムになっていたのだ。

カラーシャからイスラムに改宗する人は、ちらほらいるとは聞いていた。年々増えているともいう。実際、今回ほかにもイスラムに改宗していた子が2人もいた。
カラーシャとイスラム、どちらが今後幸せに暮らしていけるかは、わからないことだが、彼女の場合は自分の意志ではなく、親の意志による改宗だ。
ムスリムはカラーシャの住むエリアには住めないので、カラーシャのエリアを離れて家を建てなければならない。カラーシャの伝統行事には参加できなくなるし、親族の冠婚葬祭にも参加できないかもしれない。
あとからカラーシャに戻りたいと思っても、ムスリムからカラーシャに戻ることは、保守的なこのあたりのイスラムでは不可能だ。イスラム法上では、棄教者は原則として死刑とされている。

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