外国に旅行に行くとまれに子供と手をつなぐことがあるが、あの子供の小さい手の感触はかなり好きだったりする。また、小さい手をさしのべてくる姿にも、ほっこりする。普段の生活のなかで子供とふれ合うことはまずないので、旅行先限定のイベントだ。
好きだけど、こちらから手をつないだりはしない。かといって、別に相手が手をつないで来るのを心待ちにしてるわけでもない。特に欲求はない。
子供と遊ぶのもそうだ。写真を撮るのと折り紙をするの以外は、こちらから何をして遊ぶかとか提案することはなく、いつも子供主導である。どういう遊びがいいとか願望はないが、なんとなく嫌なのはある。子供に合わせて手を抜いたりしなきゃいけないのは好きじゃない。それと同じように、自分が幼稚っぽくしたりするのもごめんだ。
ある日の午後。棚に飾っているものを手当たりしだい引っ張り出してきて、遊びをはじめる。置物をかかえてポーズを取ったり、木で作られたラッパの形をしたもので演奏する真似をしたり。さらに、小さな急須でお茶を入れるふりをして、ミニカップを渡してくる。
これは、ままごと的なやつか、こういうのは苦手だ。ままごとなんて子供のころにもしたことがないのに、小っ恥ずかしすぎる。しかたがないので、頭からかぶってみた。ウケた。そしたら、また渡してきたので、今度はかけてあげた。またウケた。あれ?これ、ままごとしてるのと変わらないんじゃねえ?