気に入った場所へは、何度とのなく再訪する私。再訪する際には、前回にお世話になった人へ手みやげを持っていくことにしている。食事をごちそうになったり、車で送ってもらったり、そういったことを受けた場合には、謝礼を渡そうとするものの、決して受け取ってもらえないので、再訪したときに手みやげという形をとっている。
手みやげの中身は、受けた内容や相手の家族構成などによって変化するが、基本的には子供へのものが中心である。鉛筆と消しゴムと歯ブラシが、スタンダードなセット。年齢によって、ボールペンやカラーペンに代える。そこに家族全体用にお菓子をプラスしたりする。できるだけ消耗品にするように心がけているが、何度か渡している場合は、定規や鉛筆削り、ヘアゴムなどがラインナップに加わってくる。
消耗品にするように心がけている理由は、出しゃばりたくないのだ。外国のものは珍しいかもしれない。日本製は質がいいかもしれない。それでも、もし親から買ってもらったのを持っていたら、そちらを使ってほしいのである。親がせっかく買ってくれたものを押しのけたくはないのだ。
もうひとつ心がけていることがあって、前回にあげたものと被らないようにしている。どうせなら、毎回同じものより、違うほうが楽しいじゃない。ただこれ、思った以上に手間がかかる。いつ・誰に・何を・渡したかを管理していないと対処できない。手みやげ帳がある人なんて、あまりいないだろう。
私の手土産は、前回の感謝の気持ちを込めて渡しているものなのだが、その意図は伝わっていないと思う。特に子供は、その子がしたことではなく、その子の家族の誰かがしたことだったりするので、まるでわかっていないと思う。きっと子供たちは、もらえる子と、もらえない子の差は、私のお気に入りの子だからだと思っていることだろう。
お気に入りの子だからって、むやみに物はあげたりはしない。お気に入りの子だと、手土産の中身がやたらと豪華になるだけだ。