パキスタンに行くときに私を悩ませてくるもの、それがイスラム教徒へ持っていく手みやげである。
イスラム教では、物事をイスラム教の教えにそって、許されたものを意味するハラールと、反対に禁じられたものを意味するハラームに分けている。イスラム教徒にとって、生活全般においての指標のようなもので、それがハラールであるか、ハラームであるかをまず考える。
よく知られてるのは、豚肉とアルコール。アルコール飲料や豚肉そのものはもちろん、豚由来の成分が含まれているものや、料理酒やみりん、リキュールなどもハラームになる。
手みやげがハラールであるか、これを確認するのが、実に面倒くさい。特に豚由来の成分ってのが、やっかいだ。豚肉はゼラチン、乳化剤、動物性油脂、グリセリン、ポークエキスなど、さまざまな姿に加工され、使用されているのだ。
製品の成分や製造方法が、ハラールであることを保証するハラール認証というものがある。日本でもハラール認証を受けた商品はあるにはある。ただ、その数は本当に少ないので、ハラール認証はないけど、成分的に問題がないものになってくる。
それで自分でハラームなものが含まれていないかを確認するのだが、お菓子を選ぶときに、成分をこまかく確認するのって大変なのよね。
ちなみにイスラム教で、アルコールが禁止なのは、酔って礼拝を忘れたり、宴席で暴力的な行為が起こったりしたことで、禁じられるようになったのが、豚肉については、なぜ禁じられてるのかは、明確に記されていない。