子供は、外国人には自分の言葉が通じないことを、幼いころから理解している。相手の表情や反応から、言葉が伝わっていないことを感じ取っているのだろう。
そのときの対応は、子供によって実にさまざまだ。おかまいなしに現地語で話し続ける子もいれば、学校で習った英語のお決まりフレーズを繰り返す子、文章ではなく単語だけしか話さない子、まったく話しかけてこない子もいる。
どれが正しいというわけではない。ただ、外国人へのアプローチというよりも、その子自身の個性を見てとれることが興味深い。
ある日、その話しかけてこない子が、こちらを見つけて駆け寄ってきた。やってきた先を見ると、家族でクルミの収穫をしていたようだ。
この子は、まったく話しかけてこないが、いつも近寄ってくるし、長い時間そばにいる。話しかけてこないのは、なついていないからでも、距離をとっているからでもないのだ。
駆け寄ってきたものの、いつもと同じで黙っている。でもまあ、言葉が通じなくても、なんとなくわかる。
どうやら写真を撮ってほしかったようだ。遠くから家族に冷やかされ、照れくさそうにしながらも、嬉しそうにポーズを決めていた。