カラーシャの谷に住むムスリムの女の子は、幼いころから髪を隠している。イスラムにおける髪を隠すための服装はいくつもあるが、ここの女の子の服装は、スカーフで頭髪を隠すヒジャブ、顔を出して頭から胸まで覆うケープのカイマー、フィットしたキャップと筒状のスカーフのアル・アミラの三種類。
もっともポピュラーなのがヒジャブ。小学校三年生くらいになると、みんなこれになる。もっと幼い子でもヒジャブが圧倒的に多い。だが、ヒジャブは巻くのがむずかしく、ずれてもきちゃう。靴ひもを結ぶのと似ていて、小学校三年生にもなれば、自分でできるようになるが、一年生くらいだとまだむずかしい。ひも靴じゃなく、マジックテープの靴を履くように、顎の部分が縫製された着脱簡単なタイプのカイマーやアル・アミラってのがある。
通常はムスリマの服装のなかではヒジャブが好きだけど、幼い子に関しては、ヒジャブよりもカイマーやアル・アミラのほうが好き。特に頭にぴったりとフィットしているアル・アミラは丸っこくて可愛い。色が白だと、てるてる坊主みたいだし、黒だと「千と千尋の神隠し」のカオナシみたいになる。