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Pakistan2019

#168

傷だらけのお嬢

Feb 26, 2020

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朝方にはなかったはずの傷が、いつの間にか増えている。ここでは日常茶飯事で、そう珍しいことではないのだろう。
彼女たちが住んでいるところは、道路は舗装されておらず、砂利道。谷あいなゆえ、砂利道なうえに坂道も多い。転んだりすれば、ひざをすりむく程度ではすまない。危険になる石や枝がそこらじゅうに転がっている。そんなところでサンダルとか、およそグリップ力なんて無そうな靴で走り回るのだから、いつも誰かしらの顔に痛々しい傷があり、生傷が絶えないのである。
たいていは数日後に会ったときには、すっかり傷が消えている。可愛らしい顔に傷跡が残らなくてよかったとほっとする。一方で、見かけなかったほんの数日の間に一体なにがあったんだってくらいに傷を負ってたりもすることもちらほらとあった。
このあたりには病院なんてないのだから、せいぜい気をつけて、一生もんの傷がつかない程度に傷だらけになるがいい。

花屋の花

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