日本にいるときに、同性から容姿を褒められたとしても、さして気にとめはしない。うれしいとも思わないので、真に受けることもなくさらっと流している。けれども、外国で言われると違ってくる。警戒心マックスとまではいかないものの、それよりあとは一挙手一投足すべてが気になってくる。
ボディタッチが多い場合はなおさらだ。日本人相手だと意図が読めるが、外国人の場合はよくわからないので恐怖心しかない。スキンシップで疑いようのないだろうって相手のときでさえ、頭の片隅では警戒をおこたっていない。
パキスタンにおいては、さらなる警戒が必要となった。パキスタンでは男性同士でも手をつないでくる。これは友情の証で、パキスタンでは一般的なことらしく、変な意味はない。しかしながら、パキスタンでは、なぜだかしょっちゅう性別を聞かれる。一日にふたりは聞いてくる。だから、手をつないでくるのが、友情でしているのか、違う意味なのかが気になってしかたがない。
唯一、外国で容姿を褒められても安心できる相手は子供だけだ。子供から容姿を褒められると笑ってしまう。本気で受け取るわけではないので、褒められて喜んでいるのではない。子供からそんなことを言われるのがおかしくって、つい笑っちゃうのだ。