子供の遊びを見るのが好きだ。外国だと見たことがない遊びが多く、ルールもよくわからないが、それはあまり関係ない。見ているうちに、なんとなくルールがわかってくる場合もあるが、ずっとよくわからないままでも楽しかったりする。
自分が幼少期にしたことのある遊びを見かけることもある。さすがにまったく同じということはなくて、少しルールや動きが違ったりする。そういうときは、なにが違うのかを見つけるのが楽しい。
子供の遊びを見るのは好きなのだが、それを写真に収めるのはわりとむずかしい。
単純に被写体が動いているため、ピントを合わせるのも、ブレなくとらえるのも、難易度が高くなる。それに加え、動きを予想し、構図を決めて、瞬間を逃さずに撮らなきゃいけない。そして、動かない被写体と比べると、圧倒的にシャッターチャンスが少ないのである。
たとえば、じゃんけんブルドック。じゃんけんに勝った人が、負けた人のほっぺたをつまんでいく遊びでいうと、開始直後の向かい合ってじゃんけんをしているだけの姿を撮ってもしかたがない。じゃんけんブルドックをしているということが、写真を見てもわからないからだ。ゲームが進んで、ほっぺたをつまんでいればいいというわけではない。ほっぺたをつまみつつ、じゃんけんをしている瞬間である必要がある。ほっぺたをつまむ腕で顔が隠れないゲームの状態とアングルを見つけることも重要だ。
さらには、写真ばっか撮っていると、子供が自然な姿でなくなってしまったり、遊びよりカメラに夢中になって、遊びをやめてしまったりするのである。
負けたら痛いはずのじゃんけんブルドック。めちゃくちゃソフトにつまんで、めちゃくちゃソフトに引っ張っており、ただの愛撫のようであった。まあ、こんなに可愛い相手ならいたしかたあるまい。