バリ島独自の宗教であるバリ・ヒンドゥー。バリ・ヒンドゥーは、4世紀頃にジャワ島から伝わってきたヒンドゥー教が、バリ島の土着宗教と混じり合いながら発展していったものであるが、実は今のバリ・ヒンドゥーは、それとは違うという。
16世紀に入ると、バリ・ヒンドゥーに大きな出来事が起った。ジャワ島中東部を中心に栄えていたヒンドゥー教王国のマジャパイト王国が、イスラム国家によって滅ぼされ、イスラム国家に追われた王国の貴族、僧侶、工芸師などがバリ島に逃げてくることになった。それによって、ジャワ島で栄えていたヒンドゥー文化、ジャワ・ヒンドゥーが広まり、ジャワ・ヒンドゥーの影響を強く受け確立したのが、現在のバリ・ヒンドゥーである。
その16世紀に確立した現在のバリ・ヒンドゥーではない、それ以前のヒンドゥー教や文化を守る人々がいる。バリ・アガと呼ばれる人々だ。
バリ・アガの村として有名なトゥガナン村は、昔ながらの素朴な雰囲気が味わえる。村の周りは、石で造られた壁に囲まれており、子ブタが道で昼寝をするほど、実にのほほんとしている。ほかのバリの村とは、文化も建物も違うというが、正直、外国人が見ても、その違いがわからない。
それよりも気になったのが、出会った女の子の足。ダニだろうか、それはもう目も当てられない悲惨な状態であった。文化や伝統を厳しく守るのもいいのだが、医療事情や衛生環境のほうが気にかかる。本当に守るべきものは、何なのだろう。