初対面のときはもちろんのことだが、ひさしぶりに会ったときも、はじめは表情がかたいし、おとなしい。内気な子や恥ずかしがり屋な子だけでなく、どんな子でも同様にだ。猫をかぶるじゃないけど、ありのままの自分ではなく、外面を取りつくろっている。
それは時間の経過とともに次第に変わっていき、感情も豊かになっていく。写真としては、当然ながら緊張がほぐれた自然な表情のほうがいい。だが、仲良くなりすぎるのもいいことばかりではなかったりする。
親や学校の先生と違って、叱られないので増長してくるのだ。最初はしおらしく写真に撮られていた子も、やがて自ら写真を撮ってくれとねだってくる。それを通りこすと、ほかの子の写真のときに、写り込もうとしたり、写真を撮られている子の頭の上でピースしたり、レンズの前に手を差し出して邪魔してきたりする。
そのくせ、自分の番のときに誰かがそういうことをしてくると嫌がって争っている。自分がされたくないのであれば、自分もしなければいいのに。大人にとっては不可解で理解できない行動だ。脳に「邪魔せえ」とでもインプットされてるのか?って思うくらいに、飽きることなく何度も何度も繰り返し続ける。
まったくをもって面倒である。リセットボタンを連打しくなる。