朝、目が覚めるとまだ雨だった。前日の夕方から風が強くなり、小雨がぱらついて天気がくずれきていたが、寝ているうちに回復とはいかなかったようだ。気温もずっと低い。いつもは15℃くらいはあるが、確実に10℃を下回っている寒さだ。
旅行中に雨に降られると、たちまちやることがなくなってしまう。だが、パキスタンのカラーシャの谷では、どの小学校にも入れてもらえるので、雨の日だって楽しめる。
雨の中出かけると、ある異変に気づいた。傘を差している人が妙に少ない。ザーザー降りでもないが、ポツポツ程度の小雨でもない。屋内から見て雨が降っている様子がわかるし、ところどころ水たまりができる程度には降っている。雨が傘に当たって音を立てるほどの強さはある。日本であれば、間違いなく傘を差すくらいの雨なのだが、2〜3割ほどしか傘を差していないのである。
傘をあまり持っていないのだろうか?それとも、この程度の雨なら傘は必要ないという感覚が日本人とは違うのだろうか?
もうひとつ気になったのが、欠席者がやたらと多いことだ。クラスの3分の1か、それ以下しか来ていない。隣の村やもっと遠い、歩いて数十分かかる村から通っている子もいる。道が舗装されていないので、足元が悪いと厳しいのだろう。
はじめは授業も行われていたけど、人数が少ないせいか、やがて自習ばかりになった。自習というか、勉強らしいことは何もしちゃいない。学校側としてもやむをえないんだろう。これだけ欠席者が多いと、教科書を先に進めるわけにいかない。
しかしまあ、雨の中まじめに学校にやって来たのに、やって来なかった人のせいで授業が行われないなんて、これぞ理不尽な世界そのものではないか。しゃーない、代わりに写真をたくさん撮ったり、遊んであげるとしよう。